2018.03.10 00:56|書籍紹介
心霊と進化と―奇跡と近代スピリチュアリズム
アルフレッド・R・ウォーレス
潮文社
売り上げランキング: 683,165


アルフレッド・ラッセル・ウォレス(1823年-1913年)は,ダーウィンと並んで自然淘汰説を進化論に取り入れたイギリスの博物学者ですが,本書がイギリスで出版されたのは100年以上前で,近藤千雄さんによって翻訳されたのが約30年前です。

本書の訳者あとがきに書いてありますが,近藤さんが,サイキックニューズ社に日本での出版の許可を求めたところ,「それは結構であるが,該書は今では時代遅れの感がするので,シルビア・バーバネルの『子供の死後』でも訳されてはいかが?」という返事をもらったようです(本書248頁)。

私は数年前にアマゾンで買ったのですが,新品のはずなのに本がだいぶ色あせていて,見た目的にも古臭いということもあり,今まで敬遠してきました(>_<)

ただ,以前に取り上げた『幽霊を捕まえようとした科学者たち』でウォレスのことが書かれていて興味を持ったので,意を決して読んでみました(^ ^)

読んでみた感想としては,非常に理路整然としていて,難しい言い回しなども少なく,近藤さんが訳しているということもあってか,とても読みやすかったです。

しかも,以下のように,否定論者に対する痛烈な批判が繰り返し述べられているので,心霊現象にいまだ確信が持てない人におススメしたいですね(^ ^)

「一片の反証もないし,これだけの報告を拒否するのは近代科学の取るべき態度ではない。科学者がこうした態度に出るのは,そうした普通より高度な現象を不快に思う偏見があるからとしか考えようがない。現に,調査もせずに無視するというのが自然科学の教授達の共通した態度なのである。」(本書64頁)

「要するに彼ら自身は心霊現象をほとんど見ていない。そして他人が見たというものはなおさら信じられない。たまたまトリックによって簡単にだまされる人に出会って,スピリチュアリストはすべて無意識的ないし故意にその程度のやり方で演出されたものによって霊魂説を信じているのだと結論する。」(本書164頁)

「否定論者の説や態度については折にふれて言及してきたが,共通していえることは,われわれ肯定派が霊魂説を立証するために行ってきた長年の実験,研究,推論や,それに傾けた真摯な情熱に比して,純粋な学者的良心や誠意が全く見られないということである。」(本書224頁)

「否定論者はいったいどれだけのことをして何を提供したか。彼らはただ憶測による勝手な説を立てるだけで,何一つ根拠となるべき証拠を提供したためしがない。」(本書225頁)



そして,ウォレスは,心霊科学は決定的な立証を得たと述べたうえで,今後はその心霊現象がもつ意味を吟味して,いかに生きるべきかを考える必要があることを示唆しています。

本書がイギリスで出版されて100年以上が経ちますが,いまだに心霊現象それ自体に関心がいってしまったりして,霊的真理に沿った生き方をするステップまで,人類全体が進んでいるとは到底いえないのではないかと思います。

そうすると,サイキックニューズ社が言うような「該書は今では時代遅れの感がする」などとは評価できず,まだまだ本書の価値はあるのではないかなと思いますね(^ ^)

2018.02.10 21:26|思索

「地球の過去は男性の過去でした。地球の未来は女性の未来です。」(G・V・オーエン『ベールの彼方の生活(四)』250頁(潮文社)


最近では女性活躍推進法が成立するなど,女性の活躍が社会のあらゆる場面で期待されてますけど,スピリチュアリズムの普及にあたっても,女性の活躍は重要なんじゃないかなと漠然と思っていました。

そうしたところ,『ベールの彼方の生活』の4巻の9章に,「男性支配型から女性主導型へ」ということが書かれていて,内容的にもかなり興味深いものでした(^ ^)

たとえば,男性の理性と女性の直感に関する以下の記述です。

「理性というものは男性的資質に属し,したがって私のいう未来を垣間見る手段としては不適当であることです。直感は女性的資質に属し,人間の携帯用望遠鏡のレンズとしては理性より上質です。思うに女性がその直感力をもって未来をどう読まれるにしても,理性的に得心がいかないと満足しない男性よりは,私が言わんとすることを素直に理解してくださるでしょう。女性は知的理解をしつこく求めようとしません。理屈にこだわらないのです。あまりその必要性がないとも言えます。直感力が具わっているからです。」(G・V・オーエン『ベールの彼方の生活(四)』254頁(潮文社)



私は,日常生活でスピリチュアリズムの話とかは周りでしませんが,仮に話すとしたら,女性に対しての方が男性よりも話しやすいと思います。

それはやはり女性の方が理屈抜きにして直感的に理解してくれそうな気がするからだと思います。

反対に,たとえば男性の同僚弁護士とかに対しては,直感的に理解してくれるということは全然期待できず,おそらく理詰めで反論してくるので,私も今まで男性弁護士に対してスピリチュアリズムの話をしたことがありません。。。

シルバーバーチの霊訓では,男性と女性の違いについて,直感力という言葉ではないですが,似たような趣旨のことが述べられています。

「女性は男性にくらべて知性よりも情緒によって支配されるために弱い面があります。しかしそれは決して悪いことではありません。それだけ感受性が強いということだからです。男性よりも繊細な属性を具えており,それだけ私たち霊界の者からの働きかけに敏感であり,影響を受けやすいということになります。」『シルバーバーチの霊訓(二)』22頁(潮文社)



『ベールの彼方の生活』でも述べられていますが,上記で言っている男性とか女性とかいうのは,性別での区別というよりか,男性的要素,女性的要素という意味だと思うので,男性であっても女性的要素である直感力を持っていたり,感受性が強かったり,逆に,女性であっても男性的要素である理性的判断力を持っていたり,ということだと思います。

そうすると,男性も女子力(というとかなり語弊がありますが)を高める時代が来ているのかもしれないですね(^ ^)

いずれにしても,女性の方が当然のことながら女性的要素である直感力を持っている人が多いといえるので,たとえば,シルバーバーチの霊訓を読んだ人の中でも,おそらく女性の方が直感的に「これは真理だ!」と得心がいく人が多いと思います。

現在,私はシルバーバーチの読書会などに参加しているわけではないので,何とも分かりませんが,読書会の参加者のなかで女性の割合は結構高いんじゃないかと思うのですが,どうなんでしょうか。

今後のスピリチュアリズムの普及にあたっては,直感力という長所で男性よりも早く霊的真理に目覚めた女性たちがリードしていくのではないかなと思いますね(^ ^)

2018.01.25 22:14|仕事
弁護士として働き始める場合,12月に研修を終えて弁護士登録し,1月から法律事務所へというケースが一般的なので,1月になると,弁護士会の会合などで,新人弁護士とよく遭遇します(^ ^)

私の事務所でも1月から新人弁護士が入り,私もその新人弁護士と接する機会は多くあるのですが,私からすると,その新人弁護士は礼儀正しくて真面目な性格という印象を持っていました。

しかし,事務員さんたちと新人弁護士の話題になったときに,事務員さんいわく「あの先生(新人弁護士)は,他の弁護士に対する態度と事務員に対する態度が全く違くて。。。」とのことで,びっくりしました(>_<)

事務員さんによると,その新人弁護士は,先輩弁護士たちには非常に腰が低くて礼儀正しいけれど,事務員さんに対しては横柄で見下した態度をとってくるので,気持ちよく仕事が出来ない,ということでした。。。

私としては,普段から事務員さん達の仕事面とか人間関係についても,きちんと配慮できているのではないかと勝手に自負していたのですが,そのことに全く気づいておらず反省です(~_~;)

あと,人によって態度が変わるというのは,私のなかでも少なからずある気がして,たとえば,重鎮のベテラン弁護士とか,会社経営者,企業役員などの社会的地位が高い方の前では非常に低姿勢になるとかは,全然ある気がします。。。

なので,新人弁護士の態度は,他人事ではないなあと思いました(>_<)

シルバーバーチは,

「霊格が高いことを示す一ばんの証明は人を選り好みしないということです。」『シルバーバーチの霊訓(六)』42頁(潮文社)


と述べていますが,人を選り好みせず,誰に対しても分け隔てなく接するというのは,言うのは簡単ですが,いざ実践となるとなかなか出来ないですね。。。

先輩弁護士と事務員さんとで態度を変えるというのは,今まであんまり考えたことなかったのですが,私も無意識にやっているのではないかと思い,身の引き締まる思いがした次第です(>_<)

2018.01.15 01:37|日常

「物質は殻に過ぎません。霊という実在によって投影されたカゲに過ぎません。物質それ自体には存在はないのです。あたなが存在し,呼吸し,動き,考え,判断し,反省し,要約し,決断し,勘案し,熟考することができるのは,あなたが霊であるからこそです。霊があなたの身体を動かしているのです。霊が離れたら最期,その身体は崩壊して元の土くれに戻ってしまいます。」『シルバーバーチの霊訓(一)』40頁(潮文社)


シルバーバーチは,物質(身体)には実在がなく殻に過ぎないということを繰り返し述べていますよね。

身近な人の死を経験することで,「物質は殻に過ぎない」ということを実感される方は少なくないと思いますが,私は,司法修習生のときに,死体解剖に立ち会った際に,そのことを強烈に実感しました(>_<)

司法試験に合格した後に,司法修習といって,裁判所,検察庁,法律事務所などで研修を受けるのですが,検察庁での研修のときに,死体解剖の見学がプログラムにありました(>_<)

私の指導担当であったイジワルな検事は,あえて死後長時間経過している腐乱死体の解剖現場を選び,修習生一同は,恐怖におののきながらの見学でした(T_T)

あんまり詳しく書くと,今でも気持ち悪くなりそうですが,腐乱死体ということもあって,臭いがすさまじく,そのとき着ていったスーツはもう着れなくなるぐらいでした。。。

解剖医の先生は,当然慣れているので,淡々と解剖を進めていたのですが,解剖医の先生とスタッフの方々が,皆で合掌してから解剖を始めたところを見て,遺体への尊厳というのを持っているのだなということが感じられました。

見学が終わったあとは,修習生一同,みな気持ち悪くなり吐きそうになっていたのですが,指導担当の検事から,「昼飯いくぞ!」と言われ,お店に連れていかれることに。

そこで検事に加えて,なぜか女性の修習生だけ普通に食事をするなか,私を含め男性の修習生は全く食べれず,うなだれていました(~_~;)

そのなかで,ある修習生が,「死生観が変わるかもしれない・・・」とつぶやいていたのを見て,やはりそれぐらい皆にとっても衝撃的だったんだなと思いました。

シルバーバーチが「霊が離れたら最期,その身体は崩壊して元の土くれに戻ってしまいます。」というとおり,霊が離れた身体は抜け殻で,あんなにも無残な姿になってしまうのかということが,とてもよく分かりました。

日常生活のなかで忙しくていると,「物質は殻に過ぎない」ということはつい忘れてしまいますが,死体解剖の見学というあのショッキングな体験は,私のなかで今でも簡単に忘れることができないので,今思えばいい体験だったなと思いますね。

2018.01.03 22:36|書籍紹介
幽霊を捕まえようとした科学者たち (文春文庫)
デボラ ブラム
文藝春秋
売り上げランキング: 171,865

原題が『ゴースト ハンターズ』の本書は,その一般受けを狙ったような世俗的タイトルからは想像できないほど良書でした(^ ^)

特に,スピリチュアリズムに興味はあるけれど,いまだ確信が持てないという方の背中を押してくれる本だと思います(^ ^)

また,霊界通信『永遠の大道』などで有名なフレデリック・マイヤーズが,イギリスの心霊研究協会(SPR)を創設していく過程や,自殺した恋人の霊を求めて霊媒の調査に参加したことなど,マイヤーズの生前ことも詳しく描かれているので,すでに霊界通信などを読んでいる方にもおすすめだと思いました(^ ^)

本書は,物理的心霊現象を解明しようとした科学者たちの物語ですが,本書の良いところは,なぜ当時一流だった科学者たちが,その地位や名誉を失うことも恐れずに,心霊現象さらには死後の存在を確信するに至ったかというその経緯が物語形式で具体的に書かれているところだと思います。

たとえば,イギリスの博物学者で,ダーウィンとともに進化論の生みの親とされるアルフレッド・ラッセル・ウォレス(1823年~1913年)は,ダーウィンから強く非難されながらも心霊研究に傾倒していきます。

ウォレスを心霊研究に駆り立てたのは,以下のような考えがあったからでした。

「ウォレスの新たな考えとは,自然淘汰には少なくとも人類に関しては限界がある,ということだった。肉体については,たしかに自然淘汰説で説明できる。肌,髪,筋肉,心臓の鼓動,肺の伸縮,手の形,脊椎のカーブ,そういったものがすべてダーウィンの(ウォレスの)法則にしたがって進化したことは,彼も依然として信じていた。

 だが,精神についてはちがうのではないか,と彼は言う。もしかすると知性や,道徳や,心と呼ばれるこのはかないものは,別の道筋をたどって発展してきたのではないか。われわれの良心は導きによって,まだ発見されていないなんらかの力によって,こしらえあげられたのではないか。宇宙の目的とは,精神の進化を促進するようなものではないか。「地球の物質的な不完全性」さえ,無作為ではなく目的があり,なんらかの高次の力によって計画されているのではないか。」(本書59頁)


本書ではこのように,心霊研究を推し進めた科学者たちが,当時どのように考えていたのかということが,明らかにされている点が非常に面白いです(^ ^)

また,それぞれの科学者たちの性格(たとえば,「物静かなシジウィック,おしゃべりなマイヤーズ,すてきなガーニー」(本書80頁))などがよく分かるのも面白いですし,ペテン師である職業霊媒に何度も悩まされ,落胆させられる科学者たちの苦悩なども描かれていて,興味深かったです。

本書は何を根拠にして書かれているのだろうと思ったら,ハーバード大学ホートン図書館と,ニューヨークのアメリカ心霊研究協会に保管されている膨大な書簡や文書からの引用ということらしいです。

そんな資料は絶対自分で見ることはできないので,それをまとめている本書は貴重だと思います。

本書では,心霊研究に人生を捧げた多くの科学者たちが登場しますが,その科学者たちに共通しているのは,科学者であるからこそ,科学の限界ということを誰よりも感じていたという点だと思います。

たとえば,以下は,イギリスの物理学者で無線通信の発展に寄与し,さらに戦死した息子との通信を著した『レイモンド』などで有名なオリヴァー・ロッジ(1851年~1940年)の考えです。

「ロッジは違和感を覚えるようになった。もちろん,正確な物理法則や優雅な化学式は十分に尊重している。科学には厳然たる真実とすぐれた力がある。だが,崇拝するほどの“真実”や全能の“力”があるだろうか。科学を尊重すればするほど,ロッジはそれが唯一の思考体系だとは思えなくなった。」(本書222頁)


科学で解明できることはたかが知れてると思いますし,科学が万能であり科学的根拠がないものは一切信じないとする考えは,あまりに偏狭だと思います。

本書で紹介されている科学者たちが生きた19世紀から20世紀初頭という時代は,科学が急速に発展し,人々の生活にも多大な恩恵がもたらされて,科学こそ万能だという思想がどんどん支配的になっていった時代だと思います。

そのなかで,地位や名誉などを顧みず,世間や大学内でも変人扱いされ,懐疑論者からは罵倒されながらも,心霊現象の研究のために闘った科学者たちの熱い姿は,心揺さぶられるものがありました(T_T)

06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

spilaw

Author:spilaw
性別:男性
年齢:30代
職業:弁護士
座右の書:『シルバー・バーチの霊訓』

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR