ある親族トラブル

2015.01.28 22:18|仕事
「殺してやりたいほど,あいつが憎い。」

これは,ある親族トラブルの件で,相談者が口に出した言葉でした。

親族トラブルには,相続争い,親族間での貸金返還,家屋明渡し,扶養料請求等,色々ありますが,双方の感情的な対立が激しい事件が多いという印象です。

警察庁によると,2013年の殺人事件検挙件数のうち,被疑者と被害者の関係が親族間である割合は53.5%ということみたいです。

つまり,ざっくりいうと,殺人事件の半数以上は,親族間での殺人ということになります。

親族は,他人よりも,圧倒的に距離が近いですし,特に同居している家族の場合は,毎日のように顔を会わせる関係ですから,依存しやすい関係にあります。

しかも,家族がこちらの気持ちを理解してくれない場合,それに対する不満は,他人の場合の比ではないと思います。

親族関係は,切っても切れない関係ですから,特定の親族に対する憎しみ,怒り等の感情は,長年蓄積されていき,徐々にその感情に支配されるようになり,最終的にその感情が爆発した結果が,殺人に至ったというケースが多いような気がします。

冒頭で書いた相談者のケースは,本当に殺人まで至る事案ではないと思いましたが,相談者の考えをどうにか変えることはできないかと思いました。

法律相談をしていると,相談者が抱いている感情論を延々としゃべり出したとき,「う~ん,これは事案の解決と関係ないな。」と思い,聞き流したくなったりしてしまいます。

そして,「まあ,そのお気持ちも分かりますが・・・」などと言いつつ,話を中断させて,法律的にはこうなりますよという話に持って行ったりしがちです。

しかし,法律論でそのケースは解決できたとしても,相談者の相手に対する憎しみ,怒りなどは,消えるものではないですよね。

そういう感情を抱き続けている限り,また違う場面で,親族争いに発展する可能性を秘めているといえます(特に,親族の誰かが亡くなり,相続の話になった場合は,まさにそうなりますよね。あいつには,一銭も渡したくないとか。)。

そういう将来の争いを断ち切るという意味でも,相談者が持っている悪感情を解消しておく必要があると思います。

親族でありながら,殺したくなるような憎しみ,怒りですから,そう簡単に無くなるものではありません。

しかし,その感情を吐きだして,解消させない限り,その相談者の考えは変わらないと思います。

こういうケースでは,相談者の感情論をよく聞いてあげるというのが必要じゃないかなと思います。

相談者が持っている否定的感情を,うまく吐き出させてあげるのです。

殺したいほど憎いというなら,なぜそれほど憎いのか,どういう事情があったのか,を詳しく話してもらいます。

それは,1回や2回の相談では終わりませんが,根気強く聞き(途中で聞いているのがしんどくなることも多々ありますが),否定的感情の解消に努めます。

それでも考えが変わらない(悪感情が無くならない)相談者ももちろんいます。

ただ,一方で,考えが変わってくれるというか,「何か話ししていたら,憎み続けているのも馬鹿らしくなってきました。」とか言ってくれる相談者もいます。

私としては,一人でも変わってくれればそれでいい,というスタンスで,地道に頑張りたいと思います(^ ^)

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