2017.01.28 01:17|書籍紹介
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
岸見 一郎 古賀 史健
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 13

最近ドラマもやってて,ビジネス書の中で年間1位にもなったベストセラー書『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著,ダイヤモンド社)を今更ながら読んでみました(^ ^)

普段,私は,法律書かスピリチュアリズム関係の本を中心に読んでいますが,それだと偏り過ぎているなあと思っていました。

それで,もうちょっと視野を広げて,世間で今はやっている本でも読んでみるかと思っていたところで,この本が目にとまりました。

この本は,アドラー心理学をきわめた「哲人」と,強い劣等感を持っている「青年」との対話で構成されていて,多くの人が思うであろう疑問を「青年」が代弁して「哲人」に質問していくような感じで,それが非常に読みやすくて,理解しやすいので,そこがベストセラーになった理由なのかなと思いました。

アドラー心理学の特徴は,フロイト的な原因論,つまり,過去の原因が今の人生を決定づけているというような考え方(トラウマなど)を明確に否定すること,自分の過去の経験によって決定されるのではなく,過去の経験について自分自身でどのような意味を与えるかであって,それによって自分の人生を自ら選択していくというように考えるところにあるそうです。

ただ,この考え方って,シルバーバーチが何度も繰り返し言っている「因果律」,原因があれば結果があり,その結果が新しい原因となって,また次の結果を生んでいくという法則と矛盾するんじゃないかと思いました。

さらに,アドラー心理学では,「他者貢献」が必要としているのですが,他者に貢献するのは,「わたしは誰かの役に立っている」と思うことで,自分の価値を実感できるという点にこそ意味があるのであって,自己犠牲をする必要なんてない,といっているのですが,これも利己主義的な感じで,違和感を覚えました(>_<)

しかも,アドラー心理学の目標は,「どうすれば人は幸せに生きることができるのか」ということなのですが,幸せに生きることを考える前に,「何でそもそもこの世に生を受けたのか?」,「生きる意味って何?」,「死んだらどうなる?」といった,もっと根源的な問いを考えるのが先じゃないかと,読みながら何度も思っていました。

ようやくあとちょっとで読み終わるという残り5頁ぐらいのところで,青年が,こんな疑問を哲人に投げかけます。

「人生が連続する刹那であったとき,人生が『いま,ここ』にしか存在しなかったとしたとき,いったい人生の意味とはなんなのでしょうか?わたしはなんのために生まれ,この苦難に満ちた生を耐え抜き,死を迎えるというのでしょうか?その理由が,わたしにはわからないのです。」(本書277頁)


これを見て,「まさにこの疑問をもっと早い段階で出すべきだったのでは?」と思ったのですが,これに対する哲人の回答がなんか貧弱すぎました(>_<)

哲人「人生の意味とはなにか?人はなんのために生きるのか?ある人からこの質問を向けられたとき,アドラーの答えは『一般的な人生の意味はない』というものでした。」(本書277頁)

哲人「アドラーは『一般的な人生の意味はない』と語ったあと,こう続けています。『人生の意味は,あなたが自分自身に与えるものだ』と。」(本書278頁)


本書ではこれで対話が終わっていくのですが,これで納得する人がどれだけいるんだろうと,正直疑問に思いました(~_~;)

ただ,この本がこれだけ売れているところを見ると,「人生の意味」なんかよりも,いまこの瞬間をどれだけ幸せに生きるかという部分が皆の興味なんだろうかと思いました。

正直,この本を読む意味はあんまりなかったかもと思いましたが,いま世間ではどういうことに興味が持たれているのかというのを知ることは,スピリチュアリズムの普及を考えるうえでも重要なことだと思うので,その点では意味があったかなと思いました。

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2016.06.25 00:39|書籍紹介
スピリチュアル市場の研究 ―データで読む急拡大マーケットの真実
有元裕美子
東洋経済新報社
売り上げランキング: 81,076


なかなか面白い本を発見しました(^ ^)

この本は,スピリチュアル・ビジネスや,スピリチュアル・マーケットを客観的に分析したもので,著者は,「スピリチュアルや関連ビジネスについては肯定も否定もしない」立場とのことです(本書「はじめに」)。

著者は,三菱UFJリサーチ&コンサルタントの研究員で,普段は,健康産業や統合医療に関する研究をしているようです。

スピリチュアル市場を分析することで,スピリチュアル業界の現状が分かると思いますし,世間の関心がどこにあるかを把握できるので,スピリチュアリズムの普及にあたっても,参考になるんじゃないかなと思って,読んでみました。

読んでみて,やっぱりというか,多くの人の関心は,霊的成長などにはなくて,恋愛とか病気治癒とかの現世御利益,開運中心なんだなということがよく分かりました(>_<)

特に占いコンテンツが急成長しているみたいですね。

この本では,スピリチュアル・マーケットの消費パターンとして,
①御利益期待層
②暇つぶし・気ばらし層
③恋愛相談層
④疲労・不調回復層
⑤精神性重視層
に分類して,ピラミッド図的に①から⑤にしたがって少なくなると分析してます(本書192頁)。

正直,この分類が正しいのかよく分かりませんが,全体的な傾向として,スピリチュアル的なことに興味がある人でも,その興味の大半は,現世御利益,開運であって,霊的成長には関心がないというのは,書店の精神世界のコーナーの陳列状況とか,アマゾンでの売れ筋とかみても,そうなんだろうなと思います。

スピリチュアリズムの普及にあたっても,その辺りは多分考慮に入れる必要がありそうです。

現世御利益,開運などを求めている人に,シルバーバーチの霊訓を勧めても,それはミスマッチというか,本人が求めているような内容ではないので,まあ受け入れられないですよね。

そういう意味で,シルバーバーチも言ってますけど,受け入れる段階にきた人に,地道に普及していくしかないんだなということを再認識した次第です。

スピリチュアル市場を分析したこういう本って類書がないと思うので,スピリチュアル業界の現状を再確認するうえでも,オススメです(^ ^)

2016.05.08 00:33|書籍紹介
以前に,このブログでもご紹介した近藤千雄先生の『日本人の心のふるさと≪かんながら≫と近代の霊魂学≪スピリチュアリズム≫』を読んだのがきっかけで,浅野和三郎先生は,スピリチュアリズムと神道の関係をどのように論じていたか興味が湧いてきました(^ ^)

色々探していたら,既に絶版になっている浅野先生の『心霊学より日本神道を観る』が,ネットで公開されているのを発見しました。

読んでみたざっくりとした感想としては,なるほどと思うところがある反面,「う~んさすがにそれは違うのでは・・・。」という部分も結構あって,これをそのまま受け入れることはできないなあという感じでした。

私が特に疑問に感じたのは,以下のような点です。

まず,浅野先生は,この本のなかで,古事記とか日本書紀などの日本古典をスピリチュアリズムと同等のように扱って,「日本古典万歳!」みたいな記述が多かったのは,正直驚きましたし,理解できないところでした。

一例を挙げると,浅野先生は,本書で以下のように述べています。

「何のことはない,今日の心霊科学は,後からあえぎあえぎ日本古伝の諸説を追いかけているような按配です。」(本書5章「国家の守護神」)

「一見おとぎ話のような日本の古典には,よし宇宙の全てをことごとく網羅しているとは言われぬかも知れませんが,少なくともその中に,誤謬とドグマだけは,今までのところただの一つも発見されないのです。」(同章)

「日本の古典の内容が,実は途方もなく正確,かつ豊富なものであることでした。・・・スピリチュアリズムなるものは,煎じ詰めれば,つまり,日本古典の中に,ぎっしりと充填されている日本精神‐唯神の道以外の何物でもないのです。一方は科学的事実から導き出された学術的結論,他方は天から下された純主観的な啓示の記録。手法としては,全然天と地の違いがありながら,それがぴったりと結果において合致するということは,ほんとうに不思議なくらいで,その点日本の古典は,掛け値なしに天下一品の国宝的存在です。」(本書7章「天孫降臨の神勅」)

「日本古典が世界中で,たった一つしかない,大天啓的文章であることが判明したのです。これは要するに,20世紀のスピリチュアリズムと,祖先伝来の日本精神とは,その表現形式こそ違え,その内容はピタリと一致しているのですから,実に驚いた話で,その点われわれ日本国民は,世界中で一ばん天恵に浴しているわけです。」(本書8章「信仰の対象」)



日本古典も霊界からの影響を一部受けているということは否定しませんが,スピリチュアリズムは,地球を霊的に浄化するために,イエスの総指揮のもとに霊界側から計画的にもたらされたもので,霊界挙げての一大プロジェクトという位置付けだったはずで,日本古典とは明らかに性質を異にするんじゃないかなあと思います。

その意味で,日本古典に書かれている日本精神とスピリチュアリズムとを同列に扱うような浅野先生の考えには共感できませんでした。

次に,記紀などに出てくる天照大神の孫にあたるとされる邇々藝命(ににぎのみこと)を信仰の対象とせよなどと熱っぽく語ったりしているところがありますが,正直,これも理解できませんでした。

たとえば,以下のような記述です。

「地球主宰の大神霊‐日本古典の皇孫邇々藝命を,信仰の対象と仰がねばならぬ事です。」(本書8章「信仰の対象」)

「邇々藝命こそは,実に地球神霊界に君臨したまう,永遠の主催者であらせられるのです。・・・(省略)・・・。要するにこの地上の日本国は,邇々藝命によって組織づけられ,邇々藝命によって永遠の発達を遂げるのです。」(本書6章「日本民族の使命と信仰」)

「実際問題とすれば,邇々藝命が我らの内にあり,また我らは邇々藝命とともにある,のです。要するに我らは,邇々藝命の御心をもって心とし,邇々藝命の御働きをもって働きとするところまで浄化し切り,また同化し切ることを,人生の第一義とせねばならないのです。」(本書7章「天孫降臨の神勅」)



しかし,シルバーバーチの霊訓からすれば,信仰・祈りの対象とすべき神とは大霊であり,大霊とは宇宙の自然法則だったと思います。

浅野先生によると,邇々藝命は,スピリチュアリズムでいう自然霊とのことですが,自然霊を信仰の対象とすべき理由がよく分かりませんでした。

話は変わりますが,満州事変を正当化するような以下の記述にも驚かされました。

「メースン氏は満州における日本活動は,必ずしも軍国的,または国家的表現ではなく,むしろ神道精神の発露である。と喝破していますが,これはまさに至言と言ってよいと思います。」(本書9章「メースン氏の神道観」)

「新時代の日本国民は,率先して満州の新天地に移住進出し,子々孫々にわたって,忠義に厚く善良な満州人として,第二の神道的国家を建設する覚悟で進むのでなければ,到底ダメだと痛感します。そうなれば,ここにアジア大陸の一角に,初めて真正の意味の日本の姉妹国が生まれます。傭兵のような了見で,真の新満州国の基礎が築けたら,それこそ奇跡です。」(同章)



まだまだ浅野先生の著作や思想を総合的に評価できるほど勉強しておらず,しかも浅野先生が絶賛する日本古典の内容もほとんど知らないので,何とも言えませんが,少なくとも,浅野先生の上記のような考えには共感できないですし,スピリチュアリズムと相反するものなんじゃないかなあと思いました。

なぜ浅野先生がこのような考えに至ったのかは,当時の時代背景なども含めてもっと勉強してみたいと思ったところです(^ ^)


2016.04.09 01:10|書籍紹介
日本人の心のふるさと“かんながら”と近代の霊魂学“スピリチュアリズム”
近藤 千雄
コスモスライブラリー
売り上げランキング: 202,587


シルバーバーチの霊訓の翻訳者である近藤千雄先生の集大成ともいえる本書。

この本を買ったのは結構前ですが,読まずに放置していました(>_<)

スピリチュアリズムは実践が大事ですが,その基盤となる知識や理解を深めることも重要だなと思い,最近はシルバーバーチの霊訓以外のスピリチュアリズム関係の本をまた少しずつ読んでいます。

本書は,題名からして,かんながら(神道)とスピリチュアリズムを融合させるような近藤先生の思想体系が書かれているのかなあと期待しながら,読み始めました。

本書は,前半が神道の歴史や,日本人の源流・特徴とかが書かれていて,後半はもっぱらスピリチュアリズムの歴史について書かれています。

後半については,他の本でも知っている内容が多かったですが,前半の話は,あまり知らなかったので,勉強になりました(^ ^)

ただ,前半の神道の話と,後半のスピリチュアリズムの話が分断されているような感じで,スピリチュアリズムと神道の融合や,スピリチュアリズムの観点から神道を分析するといった論じ方ではなかったのが残念です(>_<)

そこは,近藤先生も認識されていて,本書の最後の方で,

「『かんながら』と『スピリチュアリズム』をテーマとしながら,両者を並べて説いたに過ぎない嫌いがある」(本書299頁)


と述べられています。

あと,前半の神道に関する記述のなかで,近藤先生の私見と思われる部分について,根拠が薄いと感じるところもありました。

ただ,これもおそらく近藤先生自身も認識されていて,そのためか,文末表現が「・・・と信じたいのである。」(本書34頁)とか,「・・・筆者はそのように想像している。」(本書51頁)など,弱い表現にしているんじゃないかなあと思いました。

何か批判的な感じになってしまいましたが,本書のまえがきで,

「西洋の著作に関わってきた私が次第に目覚めてきたのが,日本人の心の原点ともいうべき,≪かんながら≫,すなわち漢字が輸入されて以来≪神道≫と呼ばれるようになった霊的思想と,その物的表象としての≪神社≫のすばらしさである。」(本書1頁)


と書かれていたので,神道や神社のすばらしさや,スピリチュアリズムから見た神道とか,スピリチュアリズムと神道を融合した和製スピリチュアリズムとかについて,もっと踏み込んで論じて欲しかったという気がしました(>_<)

特に後半のスピリチュアリズムの歴史とかは,他書でも読んだような話なので,そこは省いて,神道とスピリチュアリズムの関係について正面から分析して欲しかったと思いました。

ただ,神道とスピリチュアリズムの融合とか,浅野和三郎先生の和製スピリチュアリズムというのは,スピリチュアリズム普及会さんのニューズレター13号で痛烈に批判されています。

ニューズレターも読んでみて,確かに分析的に検討されているなあと思いましたが,その分析が正しいのかどうかは,私の知識不足で正直よく分かりませんでした(~_~;)

そもそもニューズレターで批判されている和製スピリチュアリズムというのがどういうものなのか,浅野先生がどういう論じ方をしていたのかも,私自身,全く知りません。

もっと勉強しないとなあと痛感したところです(>_<)

私としては,スピリチュアリズムを普及したいという気持ちがあるので,そのためには,スピリチュアリズムがどういうものなのかをもっと理解する必要があると思いました。

神道とスピリチュアリズムを融合できるのかとか,そういう抽象論というか理論的問題にこだわり過ぎるのも問題だと思いますが,神道などと比較検討するなかで,スピリチュアリズムの理解も進むのかなあと思いました。

また,あれだけの功績を残された近藤先生が最終的に行き着いたのが,先ほどにも述べた神道や神社のすばらしさということだったので,神道にも興味が湧いてきたところがあります。

本書では,浅野先生の文献が結構引用されていて,近藤先生としては,浅野先生の和製スピリチュアリズムを発展させるような思想だったのかなあと思ったりします。

あれこれ書きましたが,本書は,神道やスピリチュアリズムの歴史について,コンパクトで分かりやすく書かれているので,その意味ではオススメの本だと思います(^ ^)

2015.08.29 00:12|書籍紹介
ペットたちは死後も生きている
ハロルド シャープ
日本教文社
売り上げランキング: 7,384


私の知り合いが里親として猫を飼い始めてから,わずか2ヶ月で猫が亡くなってしまい,その知人はかなりショックを受けています。。

何かこういうときに,元気づけてくれる言葉とか本はないかと考えてみました。

まず,シルバーバーチは,ペットの死後について,以下のように言っています。

「人間に可愛がられた動物は,霊界でずっと待っていて,その人が他界してきた時に出迎えます。永遠に消滅することのない個的存在を与えてくれた人ですから,必要なかぎりずっと待っています。存続するのはその個的存在です。」(『シルバー・バーチの霊訓(八)』(潮文社)187頁)



自分が飼っていた動物が,霊界でずっと待っていてくれて,自分が他界すれば出迎えてくれるなんて・・・(>_<)

このシルバーバーチの言葉は,ペットロスで大変な苦痛を受けている人を癒やす言葉だと思うのですが,いきなりシルバーバーチの霊訓を読んでみてというのもあれかなと思い,もっと一般向けの本はないかと探してみました。

そこで発見したのが,本書です(^ ^)

アマゾンで80件以上レビューがあることに,まず驚きました。

著者であるハロルド・シャープ(1891-1981)は,心霊研究家・霊能者・動物愛護家で,英国スピリチュアリスト協会の会員だった方です。

動物たちへのヒーリングもしていたようです。

本書では,いきなり霊媒が出てきたり,ハロルド・シャープの指導霊とコンタクトしている話とかが出てきたりするので,これが一般受けするのかと正直思ってしまいました(>_<)

この本の内容がすんなり多くの人に受け入れられるのなら,シルバーバーチの霊訓ももっと受け入れられていい気がしました。

ただ,本書は,ペットを亡くした飼い主が,他界した後,霊界でペットと再会した話とか,亡くなったペットが地上で物質化してあらわれた話とか,色んなエピソードが載っているので,読みやすいという点はありますね。

文字数もページ数も少なく,本当にさくっと読めます。

全くスピリチュアリズム関係に興味がない人に本書が受け入れられるのか,一抹の不安は感じますが,とりあえず一読してもらって,何か感じるところがあればいいなあと思いました(^ ^)


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spilaw

Author:spilaw
性別:男性
年齢:30代
職業:弁護士
座右の書:『シルバー・バーチの霊訓』

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